和気アルプス穂高山・竜王山周辺のバリエーションルートのガイド

 

作者は鷲ノ巣クライミング場のおかげで独学のクライミングをしていて4級レベルまでならフリーソロで登れるが、ホールドの無い垂直壁やオーバーハングは無理な“似非クライマー”です。

そんな作者が“これなら行けそうだ”と判断し、登攀したルート(道があるわけではありません。)の中での“おすすめ”をここに紹介したものです。

このことを理解した上で各自の責任で判断し、行動してください

なお、これらの岩場にも地主がいます。登攀記念などに岩に落書きなどしないでください

また、06年夏に大掛かりな防獣フェンスが大田原地区の山麓に設置されました。(設置の作業林道を登山道として利用させてもらっています。)

通過後は防獣フェンスを絶対にきちんと閉めてください。開け放すと閉鎖されます。周知徹底してください。

 

◎穂高山周辺の拡大地図

*赤線は作者が登攀したルートで、登山道ではありません。

*緑の点線部分は下降・アプローチルートで多少の難所があります。

*地図の青線は“防獣フェンスの扉”を示しています。

 

一般道:穂高山 天神尾根ルート(真ん中の薬師山からの尾根伝いの緑線):穂高山頂直下の40mだけが平均40度のザレた急な岩場というだけで、他はなだらかな展望バツグンのルートです。

下降するには20mの補助ロープがあれば安全ですが、クライミングをしている人なら無くても降りれます。登るだけなら一般道です。このルートは尾根先端の八ツ峰岩からセットで登ると楽しいです。

大田原から天神尾根登山道を登り、“天神様”の祠をすぎると視界がひらけて長大な薬師山の山頂につく。鞍部の“石切り場跡”を通過して急坂を登ると、左側には“ダイレクトルンゼ”、右側には“竜王山バットレス”が見える。ルンゼ側に滑落しないよう気をつけてザレ気味の岩場を穂高山の山頂(ドーム)へ登り切る。

このルートは、表銀座コースに組み込んでいますが、普通のハイカーでは下降は困難で、「登り専用」に設定しています。

 

 

*2017年3月、難解だった竜王山バットレスの3つの沢を整備し、谷底の出合と登攀ルートの取り付きに道標を設置しました。

*さらにバットレスで一番のおススメである一ノ倉沢センタークーロワールの取り付きへ、稜線から下降できるアプローチルート(一般ハイカーが下降しないよう注意喚起のフダあり。)を設定しました。

 

◎竜王山バットレスのバリエーションルート図です。

*竜王山の西壁です。黄緑・黄・赤のルートが、上の地図のどの赤線になるかご確認ください。

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*稜線上の青線は一般道です。青の点線の部分は下降・アプローチルートで、多少の難所があります。

◎黄緑線:幽ノ沢 ザレスラブルート(初級)沢は上部でブッシュ化するので、右のザレたやさしいスラブへ。(*ここを一ノ倉沢と間違えていた人が多い。)

◎黄色:一ノ倉沢 センタークーロワール直登ルート(中級)バットレスで一番スッキリしたお勧めルートです

*左からの青点線は、稜線から一ノ倉沢へのアプローチルートです。

稜線の最低鞍部から斜下降し、幽ノ沢を10m下降し、バイパスをトラバース下降すれば、開けた岩場から取り付けます。(金テープ、案内フダ有り。)

◎黄色の点線は、派生ルートのブッシュ沢直登ルート(中級ですが、ブッシュ帯は初級)バットレスのド真ん中を山頂台地まで登れますが、濡れていることが多く、ブッシュ帯は平凡です。

◎赤線:マチガ沢 滝沢スラブセンタールート(中級)マチガ沢出合から小滝を越えて、左の滝沢スラブの中央の黒ずんだガリーを対角線に登る。対角線をはずれるとザレに泣かされます。(特に右側。)

山頂台地までの後半はブッシュ混じりの岩場ですが、傾斜はきつく、かなりザレているので、スラブより厄介です。油断しないでください。山頂台地のふちには踏み跡があります。

なお、滝沢スラブの対角線より左側のガリー(滝沢)をトレースするなら初級ですが、後半のブッシュ帯が長くなります。

*右側の青点線は小竜王山頂フダから西斜面のハゲ気味な枝尾根上を急坂手前のハゲ地まで下降し、右折して土柱のそばを下降して土柱沢を谷底に降りるルートです。(道標無し。金テープのみ。)

なお、土柱にはさわらないでください。(崩壊しやすいです。)景観を大切にしましょう。

 

 

*2017年3月、竜王山バットレスと共に、穂高山の3つのバリエーションルート(北面ガリー・ホダカガリー・ダイレクトルンゼ)の取り付きも整備し、道標を設置しました。

*さらに穂高山で一番のおススメであるホダカガリーの取り付き(滝谷出合)へ、向かいの小竜王から下降アプローチするルートを整備しました。(小竜王山頂フダから西斜面を下降し、土柱沢を谷底へ。道標なし。金テープのみ。)アプローチルートの土柱手前のハゲ地から見るホダカガリーは迫力満点!本当にこれを登れるのか?と思うくらいです。

*また、ダイレクトルンゼ取り付きへのアプローチルートも整備しました。(天神尾根の西枝尾根を下降し、ザレ場を回避して谷底へ。道標無し。金テープのみ。)これまたアプローチルートから見るダイレクトルンゼも迫力満点です。

 

以上の整備が完了したことにより完成したのが、これ↓です。

和気アルプス命名20周年記念 和気アルプス“クライミングサーキット

「長いアプローチや重い装備は無しで、100mを超える4級レベルの岩を、数メートル隣の登攀なんかじゃなくて何本も攀じってみたいなあ。」なんて、

ワガママなことを望んでいるロートルアルパインクライマーの皆様に絶対お勧めです!!あるんです。和気アにそんな岩場が、温泉からすぐの所に!

*ホンチャンの穂高岳の滝谷登攀や谷川岳の一ノ倉沢登攀の練習にもいいと思います。

◎警告!!このルートは、一般ハイカーではトレース不可能です。

クライマーでもない人がこれに挑むと確実に死にます!(くれぐれもご注意ください。)

 よって、一般的ではありませんので、20周年とは言え、ここだけの控えめな紹介と致します

*温泉スタートで、@北面ガリー⇒Aバットレス一ノ倉沢 センタークーロワール⇒Bホダカガリー⇒Cダイレクトルンゼ特選4本、

合計登攀距離500mのクライミングサーキット(約4時間をして温泉に帰還するというものです。

*装備は、ヘルメット(落石対処で安物ドカヘルでも可。)と手袋(作業用のフィット感のいい丈夫なもの。ネズの枝を握れればOK。)だけでOKです!

Tシャツ、長ズボン、軽登山靴だけのノーザックノーロープのソロでチャレンジしてみて下さい。

似非クライマーの私が完登できるのですから、クライマーの方なら大丈夫です。(保証はしませんけど。)

◎ルート詳細:鵜飼谷温泉のテニスコートの南側の道路を登って、ダートをつめると、新しい堰堤のある沢がある。

堰堤を右から越えて、風情のある沢(鈴木谷)を遡行すると、大きな石組みがあり、その上から穂高山北面ガリーになる。

二股は左へ。ガリーの中心を登攀し、最後のわずかなブッシュをつめると、穂高山の山頂。目前には、これから登る竜王山バットレスの絶景。

縦走路を竜王山へ向かい、釣り尾根の最低鞍部(コブより手前で、3m先に注意喚起のフダあり。)から金テープをたどってトラバース下降し、

これまで多くの人に一ノ倉沢と間違われていた“幽ノ沢”の上部にでる。涸れ沢の中を10m下降し、バイパス(道標あり。)でさらにトラバース下降し、

一ノ倉沢センタークーロワールの下部に付く。二股は左へ。クーロワールの中心を登攀し、わずかなブッシュを抜けて稜線へ。

縦走路を小竜王に向かい、小竜王の山頂フダから西に下降し、(道標無し。)金テープをたどって、ハゲ気味の尾根上を下降し、

ハゲ地(ここから見るホダカガリーは迫力満点!)から右に向きを変えて、土柱のそばを下降し、土柱沢を谷底に降りると、

正面はホダカガリーのある滝谷出合。(道標あり。)出合から登攀し、開けた二股は右へ。傾斜はきついままの状態が続くが、右横のブッシュにいつでもエスケープできる。

山頂直下のスラブの手前にある核心のワンムーブが無理っぽいなら、右のブッシュをつかんでもいい。核心から先はやっと傾斜が少し緩む。

ブッシュのないスカイラインを目指して山頂に登りきる。(バットレスを振り返り、さっき登ったのはあそこだなと確認するといい。)

山頂のドームから「死ぬで」の警告フダを無視して天神尾根を下降し、一般道が左に折れる地点(道標無し。)から西に枝尾根を下降し、

金テープをたどって尾根の端(ここから見るダイレクトルンゼも絶景!)から急坂を右にトラバース下降すると、ザレに泣かされることなく谷底に降りる。

すぐそばにはダイレクトルンゼの取り付き。登攀して視界がひらけると、二股は左へ。(右に誘惑されるが、左がストレートで登りやすい。)

下手に右のザレにエスケープするのはかえって難儀なので、集中して直登する。最後のわずかなブッシュを抜けてドームに。

帰還は、穂高山の山頂フダから西に斜面を下降する。(道標、金テープ無し。ナタによる枝打ち有。)枝尾根の真上を外れないように、右寄りに修正しながら下降すると、

“奈良公園”(名前の由来は行けばわかる。)に出る。コンクリ護岸を渡って入山地点に。温泉に戻って汗を流す。 以上

 

*もし、以上で物足りない方は、もう一周で、今度は二股の反対側や、一ノ倉沢を谷底の出合まで下降してマチガ沢の滝沢スラブを登攀してもいいです。

ちなみに、北面ガリーの右俣はドーム下に行くがザレ気味で、一ノ倉沢のブッシュ沢はブッシュが凡化し、ダイレクトルンゼの右俣は左よりフラつくだけです。

でも、クライミングサーキットを2周もしたら、登攀距離1,000mになります。(もう、マッターホルン登山の練習に、どうぞ!って感じです。)

なお、私が未踏の弓場ガリー(ホダカガリー左俣の派生ルートで、弓場氏が単独ノーロープで初登攀。)や、奥ホダカガリー(ホダカガリーの右(北)隣のガリーで、鈴木氏がホダカガリーと間違って登攀。)や、NYガリー(涸沢峰下の岩場で、仁尾氏と弓場氏がさらに間違って登攀。笑)は、あえて整備や標示フダはせずに、冒険好きな方に「探し出す楽しみ」を残すことにします。(ルートファインディングを楽しんでください。)

*なお、よろしければ、「フジモトに挑戦!」ということで、2回目からは一周2時間半のタイムトライアルに挑戦してみてください。(私なら2時間半で普通に一周下山できます。)

クライミングサーキットは、名前の通り サーキット(周回)トレーニングができるようにコース設定していますので、技術・体力の強化にタイムトライアル等の訓練にも利用していただきたいです。(その内あっさり2時間以内で周回されたりして。さらには4時間で2周する鉄人クライマーが現れたりして。)皆さんのチャレンジお待ちしてます。

 

◎和気アルプス“クライミングサーキット”のルート図です。

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@   :穂高山 北面ガリー:(中級)フリーソロで登れる開放感ある平均45度の140mの岩場です。ただし、岩場では確保支点はほとんどとれません。鵜飼谷温泉からテニスコートの奥へ林道を未舗装のどん詰まりまで詰る。(ここに2台くらいは駐車可。)最近できた堰堤の右を越えて、金テープのコースサインがある鈴木谷(かつては倒木がひどかったが、2016年12月に整備されて風情ある沢になった。)を遡行すると、大きな石組みの上で穂高山 北面ガリーの取り付きになる。登攀途中の二股は左へ。温泉からバットレスエリアへの最短アプローチとして便利ですが、左右はザレていてエスケープは困難。最後まで沢の中心を登り切ること。

なお、入山地点に戻るには穂高山山頂フダから西斜面を立ち木につかまりながら下降し、枝尾根上をたどるようにやや右寄りに修正下降していくと“奈良公園”(なぜそう命名されたかは行けばわかる。笑)に難なく降り立つ。

縦走路から見る穂高山 北面ガリー

 

 

A   :竜王山バットレス 一ノ倉沢センタークーロワール:(中級)上図・解説を参照。スラブは岩屑だらけなのでクーロワールが登攀対象となります。ただし、一番南の竜王山と小竜王の鞍部につきあげるクーロワール マチガ沢はヌルついた小滝の連続で登攀困難。左の広大なスラブ 滝沢スラブに逃げざるをえないが、このスラブも対角線についた微かなクーロワール以外は浮石だらけで、特に右寄りは急斜面で、バットレスでは一番の難ルートです。無事に突破すると台地状の端に沿って踏み跡があります。一方、南から2番目のクーロワール 一ノ倉沢は開放感があり、センタークーロワールはスッキリしていてお勧めです。なお、ここの派生のブッシュ沢直登ルートは、ブッシュの手前が核心で、山頂台地までのツメは、登りがいがありそうですが、ブッシュ帯は凡化します。(正直、「一度トレースしたら、もういいか。」という感じです。)一番北のクーロワール 幽ノ沢はクライマーなら最低鞍部からこれを下降できます。この沢の上部はブッシュなので、右側のザレたスラブを登攀しますが、思ったより緩斜面なので、クライミングというより沢登りのツメっぽい。ザレに注意すれば初心者でもフリーソロで登れます。全てのルートは、麓の堰堤広場からでも、谷底の金テープをたどれば、藪コギなく取り付けます。(各沢の出合には道標フダあり。)

なお、小竜王の山頂フダから禿げ気味な西斜面を金テープをたどって下降し、途中から右側の土柱沢を下降すると、ホダカガリーのある滝谷出合の正面にでますが、土柱はさわると崩れてしまいますので、絶対に土柱にさわらないでください景観維持にご協力ください

穂高山から見る竜王山 バットレス全景

 

 

B   :穂高山 ホダカガリー:(上級140mに及ぶ4級レベルの快適な本格クライミングルート。ルート上に人工支点は無く、ビレイは両脇の立ち木にとれます。スタンスやホールドが豊富なので登り易く、開放感とスカイラインをめざす爽快感が味わえます。クライマーならフリーソロで突破できるでしょうが、落ちると一気に取り付きまで転落するので、単独ならフィックスロープでプルージックをスライドさせて登ってください。パーティならなるべく支点をとらずにリードすると満足感を得られます。穂高山頂からラッペルしてもよし、大田原から堰堤広場を通ってもアプローチできます。とりつきの滝谷は最初は意外と小さい涸れ沢(道標フダ、金テープあり。)だが、すぐに広大な岩壁になる。1ピッチ目で二股を右側へとること。すっきりとした岩場が最後まで続く作者お気に入りの好ルートです。

なお、ノーロープのソロで登攀する場合は、核心のワンムーブを無理せず、右側のブッシュに回避すればOKです。

小竜王から見る穂高山 ホダカガリー

 

 

C   :穂高山 ダイレクトルンゼ:(中級)フリーソロで登れる開放感ある平均45度の150mの岩場です。ただし、岩場では確保支点はほとんどとれません。怖くなったら右上のザレに滑落しないように斜上トラバースすれば天神尾根へエスケープできます藤原団地から2つの池をすぎてアプローチするのは、気持ちいい林歩きです。前方の山肌が接近してきたら、右側の谷の奥へ曲がってください。(金テープのコースサインあり。)ザレの堆積した奥に滝状の岩溝があります。(道標フダあり。)これを登って樹海の上へ。眼前のルンゼのどこを登ってもよいが黒い筋のついた中央部(二股の左側を直進。)がおすすめです。これを忠実に直登し、ラストのザレを立ち木につかまりながら山頂に抜け出る。ゴム引き軍手があれば軽登山靴でも登れます。背筋を伸ばす時にのけぞると非情に危険です。ご注意ください。

なお、穂高山山頂からのアプローチ(道標無し。金テープのみ。)は、天神尾根を下降し、さらに西に出た枝尾根を下降し、ザレ場を回避して斜下降して谷底へ降りると、取り付きに直接到着できます。

縦走路から見る穂高山 ダイレクトルンゼ

 

*ルンゼ、ガリー、クーロワールは、いずれも“岩壁の溝の部分”のことですが、3箇所を混同しないように、わざと言い分けております。

 

 

 

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