和気アルプスの最終目標!  

06年8月11日、ついに完成。

 

鵜飼谷温泉そばの“岩山の西面”には、稜線直下の藤本壁(とうごうへき)不帰スラブ(かえらずスラブ)をはじめとした多くの岩場が散在しています。

和気アルプス最後(?)の6番目の岩場エリアとして、これらの岩場を訪ねるコンパクトでハードな2つのアルパインハイキングルートができました。

ノーロープでは限界レベルの和気ア究極バリエーションルートの 

台三郎谷 藤本壁ルート(だいざぶろうたん とうごうへきルート)と、

岩尾根登攀と巨岩周回岩場めぐりルート

     行者コース 不帰スラブかえらずスラブ)周回ルートです。

 

ただし、この岩山西面エリアは全体としてかなりの急斜面であり、木立の中でも岩壁がはりめぐっているので、ルートは弱点をついた形でひかれており、踏み崩されると通行不能になる恐れがあります。また、登山者の安全(以下参照。)のためにも入山者を抑制せざるをえませんので、ルートの紹介はここだけとし、登山口に道標はなく、登山地図にものせていません

どうか、ご了承ください。(近年の新ルートはこんなのばっかりです。フツウでなくてすみません。)

 

また、このエリアは面白さも最高レベルですが、険しさも和気ア最高レベルです

台三郎谷 藤本壁ルートにおいては、キッパリと下降不可です

行者コースでも、下降する周回ルートは、かなりハードで、登攀する岩尾根を下降するのは困難です。

よって、山頂へのエスケープ出口(と、いうかクライマーための撤収用ルートです。)には“登り専用ルートにつき、ハイカーは下降禁止”と表示しました

また、例によって雨や大勢や素人では危険(無理)です。ご理解ご協力ください。

 

 

 

◎アプローチ09年12月1日より出だしが新しいものに変更しました。

鵜飼谷温泉駐車場から車道を南へ向かうと、歩道脇に白い手すりフェンスがあるその白フェンスの手前から山に入る。(金テープのみで道標はなし。)金テープをたどって、ほとんど水平に山麓を南に進むと、石切り場跡を横切って刈り払われた道にでる。この道を30mほど進む転がった岩に黄ラッカーのコースサイン(道標はありません。)があるので、それに従って左の林に上がる。南に20m進むと、左に石垣のある行者堂(?)跡の下につく。石垣端を行者堂跡に登ると行者コースの取り付きがあり、南隣の沢の滝登りからは台三郎谷 藤本壁ルートがはじまる。

 

◎概念図(地図とは縦横が違います。北は左です。)

 

台三郎谷の登攀、藤本壁の北側トラバースと南側直登、行者尾根など、赤いルートは登攀専用です。

藤本壁センターテラスの手前には不帰スラブにトラバースして山頂までエスケープできるエスケープルート(緑色)があります。

不帰スラブの北側から下端をぐるっとまわる周回ルートは唯一の下降向け(といってもハード。)ルートです。

藤本壁はほぼ垂直なので、取り付くアルパインハイカーはいないでしょうが、不帰スラブには取り付きたがる人がいるかもしれません。でも、見かけよりかなりハードなので、やめておいてください。文字通り帰れなくなります

 

 

 

 

◎コースガイド

リピーターなら技量に応じてご自由にコース取りされても結構ですが、用心のため、初見の場合は以下のコース取りを遵守してやってください。

なお、全て西面なので、夏でも午前中なら楽しめます。水だけベルトにさげて軽量速攻で遊んでください。

行者コース 不帰スラブかえらずスラブ)周回ルート

これは、行者尾根という岩尾根を登攀し、山頂には抜けずに、巨岩の不帰スラブを周回して岩尾根の取り付きに戻ってくるもので、難所ではスリルがあるが、ある程度私の最近のルートを踏破した方なら心配いりません。このエリアの小手調べにはちょうどいい、お楽しみコースです。

行者堂跡から沢(台三郎谷)ぞいを登る。すぐ右隣に台三郎谷 藤本壁ルートがあって乗り換えたくなるかもしれないが、これは究極ルートなので、不用意に取り付かないこと。コースサインにしたがって、沢から左上の尾根に登ると岩場がある。ここが行者尾根の取り付きで、周回したらここへ戻ってくることになる。ここから岩尾根をグングン登っていくと大きな岩を積み重ねたような感じになり、攀じ登るのがためらわれるなら、コースサインに従って右をまくように登攀する。ラストは不帰スラブの一部になり、いよいよ行き詰まる。これを無理に突破しようとしないこと。(死にます。)ここは道標に従って右に少し下り、トラバースしてコブロープをつかんで這い上がる。さらに右にいくと岩壁があるが、ここもロープをつかんで登攀し、右上に抜ける。這い上がった場所は不帰スラブから藤本壁へのトラバース道である。これを左へ、不帰スラブにむかう。(技量がない者が右の藤本壁へ向かうと行き詰まる。)ちょっとスリルのあるトラバースで不帰スラブ上端を通過し、縦走路(山頂)へエスケープできる分岐点にくる。ここから岩山の山頂までいってもよいが、平凡な山道なのでお勧めしない。分岐から立ち木にさばりながら不帰スラブの展望所(不帰スラブの尾根を俯瞰できる場所です。)に下降する。ここから不帰スラブの上を下降して近道してやろうなどと絶対に思わないこと。(マジで死にます。)コースサインに従って北にまたもやスリルのあるトラバースをし、ひどい急坂を下る。不帰スラブの北側をまわって立ち木にさばりながらスラブの下端に回りこむと、スラブのデカさが実感できる。スラブの下端をトラバースしたら急坂をコブロープをつかんで不帰スラブの下端に這い上がる。下から見ると、今度こそヤレそうだが、ここも絶対ヤラないこと。(名前の通り帰れなくなります。)ちょっとクヤシイ思いを胸に岩場を下降し、尾根の最後は道標に従って右側(北側)へ降りる。あとは南にトラバース気味に下降して行者尾根に戻り、来た道を行者堂跡へ帰還する。

 

台三郎谷 藤本壁ルート(だいざぶろうたん とうごうへきルート)

行者コースで懲りなかった方は、気合を入れなおして、この和気アのアルパインハイキング究極ルートをヤリましょう。

このルートをヤルにあたっては、チンネ・スラブなど余裕!でなくてはダメです。ツイタテのマサミチルートをザイテンから終始笑いながら突破できないとヒキツリます。

このルートは人によって、ヒキツリまくるか、笑いまくるか、どっちかになります

このルートは平均40度。台三郎谷の沢からザレたスラブを攀じり、ブッシュを抜けると岩が立ちふさがり、ラストは垂直の藤本壁になる。藤本壁は北側をトラバースして攀じ登るルート(お勧め。)と、クライミングでザレた南側を直登(南に斜上)するルートがある。

エスケープできる場所は、ラストの藤本壁の手前にしかない。(なにかあってもここまで攀じらないと生還できません。)

行者堂跡から沢に降りて、正面の滝に取り付く。この滝が登攀できないようなら技量不足として撤退すること。続くナメはヌルつくことが多いのでコブロープがあるが、ルート中お助けはこれのみである。二又になると最初は右を登るが、すぐに獣道利用で左にスイッチする。左の沢を10m攀じると右側がスラブになる。コースサインに従ってスラブに乗り換えて登攀する。(沢が滑る場合は手前に迂回路あり。)スラブはザレ加減であるが、滑落しないように攀じる。立ち木につかまりながら急坂を攀じると、ブッシュになり、ちょっとしたトラバース道に出る。トラバース右端の沢(ヌメッているなら左側の林に迂回路あり。)を攀じり、続く岩登り。(自信があるなら直登が最高だが、無理しないならコースサインにしたがって斜め左へ。)這い上がったところが藤本壁から不帰スラブへのトラバース道である。マイッタ人は、ここからエスケープできるが、いよいよ本日のメインディッシュである。わずかな登りで、いきなり藤本壁のセンターテラスに出る。ここから南側を直登もできる(チョン付けのコースサインあり。)が、コースサインにしたがって北側にバンドをトラバースし、立ち木につかまりながら斜上する。いよいよ稜線直下になるが、また南にトラバースし、センターテラス真上の藤本壁展望所でこれまでの登攀を実感してから、稜線にでる。岩山山頂手前の下降禁止フダのあるルートを下降し、あとはお好きなコースを下山くださいませ。ただし、足にきていますから、ヒネらないように気をつけてごゆっくりどうぞ

 

なお、08年4月5日、藤本壁と不帰スラブがクライミングゲレンデとして完成しました

利用方法はこちら

クライミングルートがハイキングルートからのスタートになっておりますので、

クライマーがクライミングしている時は、一声かけて道を譲ってもらってください

クライマーの方も通してあげてください。お互い気持ちよく協力しあいましょう。

 

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